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ワイヤレス充電と磁石

ワイヤレス充電と磁石

2020/7/1
ワイヤレス充電と磁石

ワイヤレス充電設備で使用される主な磁性材料はネオジム磁石、ニッケル亜鉛フェライト(Ni-Zn)、マンガン亜鉛フェライト(Mn-Zn)、フェライト磁性シートとあらゆる種類のソフトフェライト材料です。

ソフトフェライト材料で作られたさまざまな磁気遮断シートはワイヤレス充電技術の主な構成要素であり、誘導磁場の増加とコイル干渉を遮断させる役割を果たします。ワイヤレス充電設備には、ソフトフェライト材料の性能、製品サイズ、信頼性などに関する高い要件があり、受信機にはそれらに対するより高い要件があります。

機器においては、搭載される受電コイルと磁性シートは可能なかぎり薄くすることが求められます。誰でも分厚い携帯電話を取りたくないでしょう。ということで、磁性材の特性と厚みは慎重に設計する必要があります。磁性シートを薄くしすぎると、磁気飽和の問題が起きてくるからです。磁気飽和するとコイルのインダクタンスが突然低下し、ワイヤレス給電動作の障害につながるおそれがあります。



ワイヤレス充電設備は送電側と受電側がありあす。受電側に応じて、正確な位置合わせを実現するため、以下の3つの方法に関する仕様が規定されています。
1.マグネットアライメント方式:
マグネットの吸引力を利用して位置合わせする方式。

ネオジム磁石を使って位置を決めます。受電側を固定位置に配置しか充電効率を最大化しません。

Qi規格にて、こいう設計の動作周波数は110kHz〜205kHzと定義されます。マグネットアライメント方式は、共振周波数が高く、一般に磁気遮断シートとして損失が少なく高周波磁気シールド効果の良いニッケル亜鉛フェライトシートを採用しています。

2.ビングコイル方式:

充電対象となる機器を検出して、その位置まで駆動装置を備える送電コイルを移動させる方式。


このタイプでは、充電対象を送電側のどこにでも配置できます。Qi規格にて、この設計の動作周波数は140kHzと規定されます。

コイルの動かすが必要ため、磁気遮断シートに高い信頼性が要求されます。通常、鋳造プロセスで作成された柔軟な磁気シートを使用します。


3.コイルアレイ方式:

多数の送電コイルを配列しておき、置かれた機器直下の送電コイルを作動させる方式。

これらのコイルは充電台のほとんどの領域をカバーしています。だから端末を充電台に自由に置くことができ、効率的に電力を供給することができます。

Qi規格では、コイルアレイの動作周波数は105kHz113kHzであり、磁気遮断シートは高Bsおよび低損失特性のマンガン亜鉛材料を使用します。

ワイヤレス充電設備で使用される永久磁石材料は、一方では、送信コイルと受信コイルの間の磁束を増強し、伝送効率を向上させます。他方では、送信端と受信端の位置決めデバイスとして、端末機器が迅速かつ正確に配置するのに便利です。

小型のワイヤレス充電設備は主にネオジム磁石材料を使います。大型のワイヤレス充電設備はネオジムの代わりにフェライト磁石を使用し、コスト削減のためです。